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ヌルデ ウルシ科の植物ですが、かぶれ度は低いです。ただ直接樹液を触った場合や触れた部位によっては、かぶれが出る場合もあります。

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学名:Rhus javanica  漢字名:白膠木 別名:フシノキ カチノキ 英語名:Chinese sumac 分類/科名:ウルシ科ヌルデ属
高さ:5~6メートル  よく見かける場所:林 野原  花期:8~9月 果期:10~11月

夏に白色の小さな花を多数咲かせます。花序は枝の先端から上に出て垂れさがりぎみになります。

葉は互生し9 ~13枚の小葉からなる奇数羽状複葉です。葉軸が翼のように広がっています。


秋に直径5 ~8 mmほどの扁平な球形をした果実をつけます。
日本、中国、ヒマラヤ、東南アジア各地に自生する落葉小木です。日本では北海道から琉球列島まで普通にみられます。
明るい場所を好む樹でパイオニア植物(先駆種)の代表的なもので荒れた土地などに最初に生えてきますが後発のより大きい樹木が育って陽が当たらなくなると枯れてしまいます。そうでなくても寿命は数十年程度と樹木としては長くないようです。
「ヌルデ(白膠木)」の名は、かつて幹に傷つけて白い汁を採り塗料として使ったことに由来するとされるそうです。別名の「フシノキ」は、生薬の五倍子 ( ゴバイシ、または単にフシともいう )がとれる木ということから名付けられたそうです。
また「カチノキ」(勝の木)は、聖徳太子が蘇我馬子と物部守屋の戦いにヌルデの木で仏像を作り馬子の戦勝を祈願したとの伝承からきているそうです。
このように昔から日本の人々の生活と深く関わり合いがある木です。

ウルシ科の植物ですが直接触ってもほとんど症状が出ない人もいるくらいのかぶれ度です。しかし、直接樹液を触った場合や触れた部位によってはかぶれが出る場合もありますので、その他のウルシ科の植物同様、触れない方が賢明です。
樹液に触れると強くかぶれるヤマウルシは葉のつき方が似ていますが葉軸に「翼」がありませんので見わけられます。

てんてん
てんてん

葉にヌルデシロアブラムシが寄生すると大きな虫癭(ちゅうえい)ができます。中には黒紫色のアブラムシがたくさん詰まっています。

この虫癭(五倍子、付子)はタンニンが豊富に含まれ腫れ物・歯痛の薬、皮なめしに用いられたり、黒色染料の原料に使われたそうです。
染め物では空五倍子色とよばれる伝統的な色をつくり出しインキや白髪染の原料になっています。

かつては既婚女性、および18歳以上の未婚女性の習慣であった、お歯黒にも用いられたそうです。

ヌルデの五倍子は付子と書くこともありますがトリカブトを使った生薬も附子 (ブシ・ブス)と書きます。
附子はトリカブトの塊茎で生薬の中で最も毒性の強い薬物で注意が必要です。
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