ナラ枯れ
特徴
真夏から夏の終わりにかけて急に葉が萎れ茶色や赤茶色に枯れます。
根元に近い幹にはカシノナガキクイムシが穿入した直径2mmほどの孔がたくさん見られます。その穴から大量のフラス(木くずと虫の排泄物が混じったもの)が出て根元や樹皮に積もっています。
根元に近い幹にはカシノナガキクイムシが穿入した直径2mmほどの孔がたくさん見られます。その穴から大量のフラス(木くずと虫の排泄物が混じったもの)が出て根元や樹皮に積もっています。
原因
「ナラ菌」を媒介するカシノナガキクイムシがコナラやミズナラ、マテバシイなどのブナ科の広葉樹に集団で穿入することで発生する樹木の感染症です。樹の中に持ち込まれた「ナラ菌」が樹体内に拡がることにより水の通導が阻害され枯死します。
カシナガキクイムシ(以下カシナガ)
被害を受ける樹木
ナラ枯れはブナ科の樹種で確認されています。なかでも、本州ではミズナラとコナラに九州ではマテバシイとスダジイに被害が多く見られます。なおブナ属のブナ、イヌブナはカシナガの穿入があっても枯死は確認されていないそうです。
近年のナラ枯れの拡大
南日本のカシナガが一気に北上したとか国外から侵入したカシナガ(本種は日本以外にも生息しています)が広がったのが原因ではなく、ナラ類の高齢化や大径化などカシナガの繁殖に都合のいい条件のもとで「地元」のカシナガがもたらしていると考えられます。
被害の状況
被害を受けて枯死した1本の木には数百~数千孔の穿入孔があり翌年には1穿入孔当たり数十~数百頭が羽化脱出するそうです。一本の木から数万頭が羽化することもあるそうです。
被害を受けやすいナラ類は高齢化・大径化したものが多くカシナガは樹幹上部よりも根元付近の太い部分に集中して穿入します。逆に直径10cm程度以下の小径木ではカシナガは、ほとんど繁殖できないそうです。
被害を受けやすいナラ類は高齢化・大径化したものが多くカシナガは樹幹上部よりも根元付近の太い部分に集中して穿入します。逆に直径10cm程度以下の小径木ではカシナガは、ほとんど繁殖できないそうです。
ナラ枯れを防ぐ
被害木が少ないときに徹底した防除を行えば被害の拡大をくい止めることは可能だそうです。
そのために早期に被害の把握を行い発生初期段階で防除を行うことが最も重要になり被害が拡大し多数の枯死木が発生してからでは被害を抑えることは困難となります。
そのために早期に被害の把握を行い発生初期段階で防除を行うことが最も重要になり被害が拡大し多数の枯死木が発生してからでは被害を抑えることは困難となります。
ナラ枯れの防除手法
・予防手法(秋~春)
健全木へのカシノナガキクイムシの侵入を防ぐため粘着剤等の塗布またはビニールシートの被覆を実施します。
・伐倒駆除手法(秋~春)
被害木内のカシノナガキクイムシを駆除するため、羽化脱出前に薬剤によるくん蒸または焼却を実施します。
健全木へのカシノナガキクイムシの侵入を防ぐため粘着剤等の塗布またはビニールシートの被覆を実施します。
・伐倒駆除手法(秋~春)
被害木内のカシノナガキクイムシを駆除するため、羽化脱出前に薬剤によるくん蒸または焼却を実施します。
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