タチツボスミレ 丸い葉とすーっと立ち上がる花の茎が特徴です。スミレとタチツボスミレは別の種です。距とよばれる白く細長い袋状の突起がついています。ご近所にはタチツボスミレが多いです。

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学名がくめいViola grypoceras A. Gray 漢字名かんじめい:立坪菫 分類/科名ぶんるい かめい:スミレスミレぞく
草丈くさたけ:5~10cm よくかける場所ばしょ日当ひあたりの野原のはら 道路どうろわき よく見かける時期じき:3~5がつ
はる野山のやま薄紫色うすむらさきいろはなかせます。はないろは、すみれ色ともいわれます。まるとすーっとがるくき特徴とくちょうです。
近所きんじょ道路どうろわきなど住宅街じゅうたくがいでもかけます。アスファルトのあいだから花を咲かせています。

日本にほんで、ごく身近みぢかられるスミレるいひとつです。北海道ほっかいどうから琉球列島りゅうきゅうれっとう国外こくがいでは朝鮮南部ちょうせんなんぶ中国南部ちゅうごくなんぶまでひろ分布ぶんぷしています。野原のはらから山林内さんりんないまでさまざまな場所ばしょられます。
花びらのうしろにきょとよばれるしろ細長ほそなが袋状ふくろじょう突起とっきがついています。

はハートがたで花の咲く時期じきには、地面じめんに、はりつくようにえています。花がわるとくきびて葉がうえに生えてきます。
花の時期じき前半ぜんはんは花が咲いて受粉じゅふんによりむすぶ「開放花かいほうか」で、花期の後半こうはんになるとつぼみのままでを結ぶ「閉鎖花へいさか」になります。そのため一年中いちねんじゅうたねのこつよ繁殖力はんしょくりょくっています。

スミレぞくは、たくさんの品種ひんしゅがあり日本でも野生種やせいしゅが60種類以上いじょうあるそうです。スミレとタチツボスミレは、べつの種です。普通ふつうスミレというとタチツボスミレをさすことがおおいようです。

タチツボスミレ(Viola grypoceras)
花の咲くころは茎は地面の中でみじかく、成長せいちょうすると伸びて立ち上がります。葉ははじめは根元ねもとから出ますが茎が伸びると葉も上がってきます。葉のかたちまるっこいハート形で花は薄紫うすむらさきです。

スミレ(Viola mandshurica)
茎は地面の中で立ち上がりません。葉は根元から出ています。葉の形は細長ほそながく花はむらさきです。
てんてん
てんてん

スミレの仲間なかま食用しょくよう薬用やくようとしても使つかわれます。

山菜さんさいとして、てんぷらやおひたし、お菓子かしとしてオーストリアのハプスブルク皇妃こうきエリザベートがあいした花びらを砂糖漬さとうづけにしたものが有名ゆうめいだそうです。
薬用やくようとしては、血圧けつあつげる作用さようのあるルチンがふくまれているため、おちゃにして民間療法みんかんりょうほうつたわっています。また、新鮮しんせんな葉をよくもんで傷口きずぐちれものにると、解毒げどくれをとる効果こうかもあります。